生物の世界 著:今西錦司

食うものが食われるものよりも小さい、いわゆる寄生関係の成立するところでは、前者が後者を支配し、そのすべてを主体化しているのではなくて、そこには主体化しきれない後者の主体性というものが大きく眼の前に立ち塞がっている。そいつと抗争しそいつを征服できればもはや寄生関係が解消したことにもなるが、寄生関係を保っているような生物というのは、はじめからそんなむだな抗争をさけて、その環境に適応していったものであろう。

p.100



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ここで目を引くのは抗争が無駄なもので
不経済だというのをしっかりと押さえているところか。

社会的にも似たような事例があり得る。
というか、社会がシステムとして自律している現状で
誰もが一定程度寄生していると見ることもできる。

ただ、生物の世界と社会対個人の問題で大きく違うのは
生物では寄生生物のことなどほとんど気にかけていないが、
社会は個人を意外と邪魔臭く感じているという点だ。

at 21:48, テツ, 引用

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『芝生の復讐』 著:リチャード・ブローティガン 訳:藤本和子 新潮文庫

 金を裏庭に埋めておくのも面倒にはなっていたが、ほかにも事情があって、わたしは銀行に口座を開くことにした。ほかの事情とは二、三年も前のことだが、金を埋めていたら、人間の骸骨がでてきたのである。

 p.63

at 10:00, テツ, 引用

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